2.25認知症多職種連携研修会に沢山の方にご参加いただきありがとうございました。ZOOM・YouTube合計で95名の方に参加いただきました。アンケートも21名の方からお答えいただきました。
いただいたアンケートにいくつか質問が寄せられておりましたが、講師の小林直人先生よりご回答いただいております。Q&Aとして掲載いたしますので、患者さんのケアにお役立てください。
Q1:
認知症は第3の糖尿病であると聞いたことがありますが、事実でしょうか?認知症の原因や機序に、持続的な高血糖、あるいは果糖摂取過剰の影響はありますか?
A1:
糖尿病が認知症の原因の一つになっていることは間違いありません。実際、糖尿病が原因となり生じる「糖尿病性認知症」という病態が存在します。持続的な高血糖も影響していますが、最近では、低血糖も認知機能低下に大きな影響を及ぼすことが分かってきています。
Q2:
生活習慣病の予防は、認知症、アルツハイマー型認知症の発症予防になりえますか?
A2:
はい、これも間違いないと思います。実際、スライドでもLANCETの認知症予防因子のことをお話しましたが、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などは認知症のリスクファクターになっています。これらをきちんとコントロールしてあげることは認知症予防につながると考えます。
Q3:
MCIですが、スコアが高く、家族と異なりいつも過ごさない医療従事者や介護従事者がいつもの行動 から掘り起こしは困難かと思いますが、掘り起こすポイントがあればご教示願います。
A3:
この点については桑名先生とのディスカッションでもお話しましたが、明確な答えをお伝えすることは非常に難しいです。一つだけ確実に言えることは、ワンポイントの受診だけでの評価は避けた方が良いということです。MCIの方を前向きに評価していくことで、アルツハイマーなどに移行するタイプの方は、半年または1年後の評価で、初回よりも認知機能、生活機能が必ず下がってきます。診察時または相談時のやりとりにおいても怪しい所見でてきますので、そこを見落とさないように対応していくことが重要だと思います。あとは、家族や近しい方からも積極的に情報を収集するようにすることが大切かと思います。